中央公論Adagioに関わる人達のブログ
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/
ja-JP
2010-04-19T11:22:26+09:00
-
未完成
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/2010/04/%E6%9C%AA%E5%AE%8C%E6%88%90.html
フルート吹きの友人が所属するアマチュア・オケの演奏会に行ってきました(飯守泰次郎指揮/新交響楽団)。...
<p>フルート吹きの友人が所属するアマチュア・オケの演奏会に行ってきました(飯守泰次郎指揮/新交響楽団)。ウェーバーの「オベロン」序曲に続き、メイン・プログラムはシューベルトの第7(8)番とブルックナーの第9番というふたつの「未完成」交響曲です。この組み合わせは、かつてギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団の来日公演でも接して胸を震わせた記憶がありますが、おそらく未完の芸術作品としては最も偉大なものではないでしょうか。そこにあるべき結末が欠け、ただ受け取る側のイマジネーションに委ねられることによって、いっそう限りのない結末のカタルシスが訪れる体験は、今回の演奏からも十分味わえました。ときあたかも話題の『1Q84』第3巻を読み終えようとしていただけに、その闊達な筆の運びを楽しみつつも、あるいはこの小説も第2巻で「未完成」のままだったほうが大きな世界を現していたかもしれないなどと考えながら……。<br /></p>
編集長
リック
2010-04-19T11:22:26+09:00
-
筋トレ?
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/2010/04/%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC-.html
先週の日記で伝記好みのことを書いたわたしの目の前にいま、新刊のサイモン・セバーグ モンテフィオーリ著...
<p style="text-align: left;">先週の日記で伝記好みのことを書いたわたしの目の前にいま、新刊のサイモン・セバーグ モンテフィオーリ著/染谷徹・松本幸重訳の『スターリン』(白水社)があり、どうしたって舌なめずりしないではいられません。ずっしりと重みのある分厚い三冊本。おそらく20世紀の最も不可解なキャラクターにして、最も巨大な権力を手中にした人物の知られざる生涯を辿り終えたときには、このところの運動不足を克服してすっかり両腕の筋肉が鍛えられているはず。これも読書の効用でしょうか?(笑) <br /></p>
編集長
リック
2010-04-12T12:18:36+09:00
-
伝記
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/2010/04/%E4%BC%9D%E8%A8%98.html
もしかしたら、わが琴線を最もかき鳴らす書籍のジャンルは伝記かもしれない。新聞の書評でダニエル・スタシ...
<p>もしかしたら、わが琴線を最もかき鳴らす書籍のジャンルは伝記かもしれない。新聞の書評でダニエル・スタシャワー著『コナン・ドイル伝』(東洋書林)を知り、さっそく入手してむさぼり読みながらそんな思いを抱きました。シャーロック・ホームズよりもずっとミステリアスな原作者の生きざまを辿るにつけ、現実の人生とは小説家が想像力を働かせたところではるかに及ばない深い神秘に満ちていることに改めて感じ入った次第です。ちなみに、わたしがこれまで出会った伝記のなかでとくに強い印象を刻まれた3冊を挙げると、こんなところでしょうか。</p><p>○司馬遷著『伍子胥列伝』</p><p>○中山茂著『野口英世』</p><p style="text-align: left;">○ヒラリー&ピアス・デュ・プレ著『風のジャクリーヌ』 </p>
編集長
リック
2010-04-05T16:33:45+09:00
-
テキメン
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/2010/03/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%B3.html
とくに発熱や悪寒があるというわけではないのだけれど、ひっきりなしに咳と鼻水が出て止まらない。そんな体...
<p style="text-align: left; TEXT-ALIGN: left">とくに発熱や悪寒があるというわけではないのだけれど、ひっきりなしに咳と鼻水が出て止まらない。そんな体たらくで本誌の編集会議に臨んだところ、アートディレクター氏がその風邪は自分がうつしたものに違いないと深々と頭を下げられました。かれこれ2週間ばかり同じ症状が続いているとのこと、そう言われてみると、数日前にアートディレクター氏と一杯やった直後あたりから確かに変調をきたした気がします(笑)。まあ、人と会うのが仕事のようなものですから流行り風邪に捕らわれるのはやむをえないものの、また、それだけにひっきりなしに咳き込んでいては仕事にならないので弱ったあげく、通勤電車の広告で見かけた『コンタックせき止め』を初めて服用してみたら効果テキメン(宣伝するつもりはありませんが)、即座にぴたりと咳が止まってしまいました。いつのまに薬はこんなにも進化していたのでしょう? あまりの威力に感心するとともに、いささか恐ろしい気さえ……。</p>
編集長
リック
2010-03-29T14:49:00+09:00
-
沃野にて
https://adagio-tokyo.typepad.jp/blog/2010/03/%E6%B2%83%E9%87%8E%E3%81%AB%E3%81%A6.html
クラシック音楽のいちばんの魅力は、同じ原理で書かれた曲が時代や国境を超えてほとんど無尽蔵に蓄積されて...
<p style="text-align: left; TEXT-ALIGN: left">クラシック音楽のいちばんの魅力は、同じ原理で書かれた曲が時代や国境を超えてほとんど無尽蔵に蓄積されてきたことではないでしょうか。そんな果てしない沃野を彷徨して、ときに未知の曲に心を奪われる体験は何よりのプレゼントです。最近出会ったのは、ハイドンのピアノ三重奏曲。ピアノとヴァイオリン(またはフルート)とチェロという、至ってシンプルな編成が紡ぎだす音楽のきらめきといったら! それはモーツァルトの賢しさやベートーヴェンの厳しさとは無縁の、ただ音楽が音楽として立ち現れてくるのびやかな喜びにあふれています。こうした曲がことさら琴線に触れるのも年齢のなせるところでしょうか、いくら聴いても飽きることがありません。なにしろ、それぞれに輝きを放ちながら40以上もの曲数を数えるのですから……。わたしが愛聴しているのはボザール・トリオの9枚組CDです、ご参考までに。</p>
編集長
リック
2010-03-23T11:30:08+09:00