中央公論Adagioに関わる人達のブログ

見栄

昨日は妙齢の女性とその彼氏とともに、青天の下、山梨県の茅ヶ岳(1704m)・金ヶ岳(1764m)を登りに行きました。車で登山口に着いて出発前にザックの中身を整えようと前かがみになった瞬間、腰にぎくりと痛みが走りました。が、年長のリーダーが弱みを見せるわけにもいかず、なるべく腰をかばいながら往復６時間・標高差１千m強を踏破しました。そして、今日……。見栄を張った当然の報いを受けているところです(笑)。

桜の季節に

かつて東海大学で６年間タイアップ企画の仕事をしたときに出会った｢教え子｣たちと、井の頭公園で毎年恒例の花見の会を開催。飲んで食べてひたすらおしゃべりに興じるというまさしく｢花より団子｣の光景ではありましたが、満開の桜の下で年ごとにかれらの顔つきが頼もしくなっていくのを確かめられるのが何よりの喜びです。
その東海大学で４月から正式に講師として｢出版ジャーナリズム｣の講座を持つことになりました。よもや自分が大学の教師になるなんて想像もしていなかっただけに戸惑いながらも、また新たな世代との出会いによってどんな人生の体験ができるのか、胸を躍らせているところです。

イケメン系

友人のＯＬ(25歳)から最近プロレスにハマっていると聞かされ、それはぜひとも連れていってほしいと頼んで出かけてきました。その名もドラゴンゲート。いやあ、こんな世界があったんですねえ！　われわれが知っているプロレスとは大違い。会場の大田区立体育館の4500席はほぼ満席、しかもその大半が20～30代の女性という熱気と嬌声に包まれて、特設リングの上にはつぎつぎと若いイケメン系の筋肉マンたちが登場しては激しくも華麗なスピード感あふれる技を競い合っていく。こりゃ、日々に疲れた女性にとっては無上の癒しだろうとすっかり納得した次第です。新しいブームは女性の欲望がつくっていくことを改めて思い知らされました。

棒ノ折山

すっかり春めいた陽気に誘われて、いつもの妙齢の女性と奥多摩・棒ノ折山(969m)を登ってきました。あの摩訶不思議な体験をした三頭山以来、約２カ月ぶりの登山とあって、おびただしい汗とともに体内に溜め込んだ澱がどっと流れ出し、やがて全身の細胞が生き生きとよみがえってくるのを実感した次第です。体重もきっと２～３キロ落ちたことでしょう、そのあとにビールで打ち上げさえやらなかったら……(笑)。

問われる男たち

この週末に、｢問われる男たち　――女から見たその価値とは｣(読売新聞社・中央公論新社共催)というシンポジウムを聴講してきました。壇上には、上野千鶴子(東京大学大学院教授)、川端裕人(作家)、板本洋子(日本青年館結婚相談所長)、麻木久仁子(タレント)の４氏。時代の変化に追いつけない中高年男性をめぐって、歯に衣着せぬ議論の展開に会場の体感温度が上がったように感じられました。わたし自身にも耳に痛く、胸に突き刺さる言葉の数々……。これからの男は女性にとって嗜好品としての価値を高めるために、まずは｢可愛げ｣を身につける必要があるとか。ご同輩のみなさまに『中央公論Adagio』が多少ともそのお役に立てるとしたらこれに過ぎる喜びはありません。

初体験

これが食べられるのは日本でここだけだよ、とお店の女性が言います。炭火コンロの金網の上にはタレをまぶした大小の肉片が散らばり、たちまち煙を上げながら丸まったりよじれたり……。まるでまだ生きているかのように蠢く肉片のなかには、白い管を引きずっているものもあります。おそるおそる箸の先でつまんで口に運ぶと、ぐにゃりという柔らかさと歯ごたえが同時にあって……。まったく初体験の味でした。この面妖な食材について、次号(4月25日発行)の｢海のTOKYO｣でレポートしますのでご注目ください！

我と汝

中学時代からの親友でプロテスタントの副牧師をやっている男がいます。突然、来月からネパールへ伝道に行くという通知があり、昨日、柄にもなく教会に出かけて初めて彼の説教を拝聴したあと、送別の杯を酌み交わしました。久しぶりに学生気分に返って神の存在について議論を闘わせたところ、彼が30年ほど前に入信したのは当時わたしが貸したマルティン・ブーバーの『我と汝』(岩波文庫)がきっかけだったとの告白を聞かされたものですから、すっかり酔いが回ってしまいました。さりげない行為がときに相手の人生を左右することを改めて思い知らされた次第です。

本日、第7号配布スタート。望むらくは、読者のみなさまの人生に小さな明かりを灯せますように。

三頭山

先月、奥多摩の三頭山へ登って道に迷いかけたのち、出会った紳士から最近仲間がここで行方不明になったと聞かされた出来事をこのブログに書きましたところ、下記のご投稿を頂戴しました。もしお心当たりの方がいらっしゃいましたら、どうぞお知らせください。同好の士のひとりとして１日も早い発見をお祈り申し上げます。

初めまして。「奥多摩」「行方不明」をキーワードにたどり着きました。
実は、1月14日に単独で三頭山周辺へ登山に行った私の恩師が行方不明で見つかっておりません。当然ですが、とっくのとうに捜査も打ち切られています。山中で出会われた紳士が探している人物と私の恩師が同一人物な気がして仕方がありません。。。この場をお借りできるのであれば、お力をお貸しください。
1月14日、奥多摩の山を、身長は160cmほど、痩せ型で、色つきの大きなメガネ、比較的薄着の60歳前後の男性をみかけたかたがいらっしゃいましたら、メールにてご連絡をいただけませんでしょうか。[email protected]です。よろしくお願いいたします。
投稿： カメの歩み | 2008年2月11日 (月) 22:57

入試の神様

前回のブログで、小林秀雄著『本居宣長』を読んでいることを書きましたが、われわれの世代にとって小林秀雄の名は｢評論の神様｣というより｢入試の神様｣だったのではないでしょうか(英語ではバートランド・ラッセル)。国語の試験問題に掲げられたその文章を追いながら、さっぱり意味が掴めないで途方に暮れた記憶がよみがえってきます。それが現在では一言一句自然に(さすがにスラスラとはいきませんが)沁み込んでくるのは、当時より頭がよくなったはずもなく、たんに年齢を重ねて人生経験が増えたせいにほかならないでしょう。つまりは、小林秀雄はそれなりの大人に向かって(ケツの青い世代などにではなく)書いていたという、ごく当たり前の事情によるものだったわけです。さて、いまの受験シーズンで学生たちを悩ませている神様はだれなのでしょう？

声を

増刊号について早くもネットで話題に！　｢尾崎豊｣が現在も生きていることをありあり実感させられます。毀誉を問わず、ご意見のひとつひとつを丁寧に拝見して今後の編集に活かしていく所存です。読者のみなさまからのさらなる｢声｣をお待ちしています。