先日八ヶ岳南端の編笠山(2524m)を登りに行った帰途、中央道の渋滞につかまったときに、同乗する20代後半の登山仲間たちに五代目志ん生のCDをかけて聴かせました。演目は「火焔太鼓」「品川心中」……。大名人の落語を体験するのは初めてと神妙に耳を傾けていたかれらも、やがて爆笑につぐ爆笑に。さんざん笑ったあとに、口々に「でも、話していることの半分も意味がわからなかった」との弁。確かに甲高い早口の下町言葉は、いまやほとんど別の言語になってしまったのかもしれませんが、それでも現代の若い世代を心から笑わせられる力こそが大名人のゆえんなのでしょう。
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