マイケル・ジャクソンの急逝からこのかた、その疾風怒涛の人生の足跡を辿ることにハマり、折に触れて大量のCD・DVDや書籍を漁ってきて思うのは、現在向き合ってみて最もインパクトの大きいのがステージのライブ映像だということです(映画『THIS IS IT』を含めて)。あれだけの労力とコストをかけて制作されたアルバムやショートフィルムがともすると陳腐化の印象を免れないのに対して、1970年代「ジャクソン5」時代以来のおびただしいライブ映像はときに劣悪な画質にもかかわらず、いまだに強烈な訴えかけを放っているように感じられます。マイケルの存在とともに時代そのものがそこにはリアルに記録されているからでしょうか? ドキュメンタリの価値というものへの思いを新たにしているところです。ちなみに、最高のパフォーマンスが1983年のモータウン25周年記念コンサートで披露された『ビリー・ジーン』であるのは言うまでもありません。