意外!? 最新号を手にされた方から再三その言葉を頂戴しました。確かに芭蕉は本誌が特集で取り上げたなかでは最も古く、江戸時代のそれもまだ初めのころといってもいい時期の人物ですから、都営地下鉄(あるいは鉄道という文化)とあまりに距離があるように受け止められたのも無理はないかもしれません。ただし、制作者としては決して奇を衒ったつもりはなく、その痛烈なまでの旅心は現代のわたしたちの琴線にも触れるものと考えてのことです。とかく砂を噛むような日常を強いられているご同輩のみなさまが、芭蕉が『おくのほそ道』へと旅立ったこの季節、多少とも風狂の思いに心を遊ばせるよすがとなりましたらこれに過ぎる喜びはありません。どうぞお楽しみください。
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