かつてよく出会った「島国根性」という言葉を最近はほとんど耳にする機会もなく、もはや死語になったのかと思っていたら、あにはからんや、内田樹氏の新刊『日本辺境論』(新潮新書)をひもといたところ、その根深い精神構造があからさまに摘出されていて否応もなく頷かされることしきりでした。日本人がグローバルスタンダードを装った仮面なんて実に薄っぺらなものだったのですね! 今年わたしが読んだ新書のなかではいちばん面白かったと断言しましょう、わが内なる「島国根性」の所在をありあり突きつけられて非常な不快を覚えながらも……(笑)。