登山仲間に誘われて、遅まきながら映画『剱岳』(新田次郎原作)を観てきました。時代は明治末期、国内最後の未登頂の山に挑む陸軍測量部と日本山岳会の物語ですが、登山用具の未発達もさりながら、信仰上の禁忌を乗り越えていかなければならなかった苦闘のありさまに全身の引きつる思いがしました。このところツアー登山の事故が相次いでいるだけに、先人たちの足跡を通じて山に登ることの意味を改めて見つめないではいられません。映画館をあとにしてスペイン料理をむさぼりながら、そんなことを話し合いつつこの夏山シーズンの計画を練りました、まずは南アルプスの北岳・農鳥岳から始めようかと……。