もしかしたら、わが琴線を最もかき鳴らす書籍のジャンルは伝記かもしれない。新聞の書評でダニエル・スタシャワー著『コナン・ドイル伝』(東洋書林)を知り、さっそく入手してむさぼり読みながらそんな思いを抱きました。シャーロック・ホームズよりもずっとミステリアスな原作者の生きざまを辿るにつけ、現実の人生とは小説家が想像力を働かせたところではるかに及ばない深い神秘に満ちていることに改めて感じ入った次第です。ちなみに、わたしがこれまで出会った伝記のなかでとくに強い印象を刻まれた3冊を挙げると、こんなところでしょうか。
○司馬遷著『伍子胥列伝』
○中山茂著『野口英世』
○ヒラリー&ピアス・デュ・プレ著『風のジャクリーヌ』
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