2カ月ほど前のマイケル・ジャクソンが亡くなったという突然の報道によって、自分と同い年だったことを知ったせいか、以後、この稀有なアーティストの軌跡を録音・映像または書籍で辿りながら興味が尽きません。思い返せば、中学のときに英語の授業で「ベン」を暗唱させられたり、「スリラー」のビデオが夜ごとテレビで流れるころには周囲にゾンビダンスやムーンウォークの物まねがはびこったり……と、確かに同時代を生きてきたわけですが、いま改めてその人生を俯瞰してみると熱い戦慄とともに、胸の底から痛切な思いが込み上げてきます。これも年齢がなせるものでしょうか。もし未見でしたら、まずは92年にブカレストで行われたライブのDVD(コンサートの全貌を記録したいまのところ唯一の映像)がおすすめです。わたしはつい、そこに2000年前のイエスの孤独な布教の姿さえ重ね合わせてしまいました……。
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