寒風のなか、商談やら打ち合わせやらで都内各地を飛び回っていたその日、たまたま乗り合わせたタクシーが若い女性の運転手さんでした。つかのまの煙草の一服を味わいながら(こんな贅沢が許されるのもあとわずかなのでしょう)話しかけてみると、「私は車の運転が大好きなので、この仕事をやれてもう嬉しくて!」と朗らかな声が返ってきました。週3回の14時間乗務だそうで、とうてい嬉しいだけでは済まないだろうに、その口をついて出る言葉はどこまでも曇りなく、「運転しながらこうやってお客さんとおしゃべりできるのがいちばん幸せな時間」とのこと。わたしにとっても小春日和のようなひとときでした。
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