中央公論Adagioに関わる人達のブログ

海岸線

きのうは丹沢の表尾根～塔ノ岳(1491m)～大倉尾根を縦走してきました。氷点下の気温で、同行の妙齢の女性がお昼に作ってくれたにゅうめんがなかなか煮立たないのには閉口しましたが、そのぶん澄み切った大気をとおして360度の眺望を存分に楽しめました。わけても、伊豆半島から東京湾にかけての海岸線と伊豆大島の巨大な島影を眼前にできたのは、このコース６回目にして初めてのこと。まさしく｢海のTOKYO｣の美しさに言葉もありませんでした。

登場人物

会社勤務のかたわら女優活動に取り組んでいるかつての｢教え子｣が、阿佐ヶ谷の小劇場で新作に出演するというので観に行きました。結婚をテーマにしたコメディで、若い俳優たちの活気とウィットあふれるステージを満喫。終演後、その彼女に舞台の上からいちばんわたしの笑い声が聞こえたと褒められ、なるほど喜劇では観客の挙げる笑い声も登場人物の一部なのだと妙に納得した次第です……(笑)。

賀春

あけましておめでとうございます。みなさまには爽やかな新年を迎えられましたでしょうか。東京では晴天続きの空模様とはうらはらに、暗雲垂れ込める景気のさなかではありますが、ひとときの憩いに『中央公論Adagio』最新号がお役に立ちましたらこれに過ぎる喜びはありません。本年もさらにエキサイティングな誌面をめざし鋭意取り組みますので、引き続きご愛顧のほどをよろしくお願い申し上げます。

表紙作品を頒布します！

本日、第12号発行。特集の｢樋口一葉｣は読者のみなさまからも大変ご要望の多かったものです。その情感あふれる世界を、年末年始のお休みにゆっくりと楽しんでいただけましたら幸いです。
さて、毎号本誌の表紙を飾って好評を博している人形作家・石塚公昭氏の作品ですが、今回の｢伊勢屋の前に佇む樋口一葉｣を特別頒布させていただくことになりました。他では入手不能ですので、どうぞこの機会をご利用ください。印画紙プリント、B4判(364ミリ×257ミリ)、石塚公昭氏の直筆サイン入り。価格プリントのみ34,000円、額装38,000円(税・送料込み)。
お申し込み先＝中央公論新社特販部
〒104-8320 東京都中央区京橋2-8-7
電話 03-3563-2046 (平日10:00～17:00受付)
FAX 03-3567-3904 (24時間受付)
Eメール [email protected]
※商品は代金引換の宅配便でお届けします(国内のみ。沖縄・離島を除く)。なお、12月27日～1月4日は休業します。

歩き方

ときならぬ陽気に誘われて、きのうはひとりで奥多摩の鷹ノ巣山(1737m)を登ってきました。このところ週末のたびに催し事があり、3週間ぶりの登山でしたが、この間｢下界｣の生活のなかで歩き方がおかしくなっていたのを実感。いつも重い鞄をぶらさげているせいでしょうか、左右の足にかかる負荷のバランスがいかにも悪いのです。崖沿いの細い道が落ち葉で埋もれていたり、積雪が凍っていたりする個所ではびくびくものでした。3時間半ほどかけて登頂したのち、下山時には自然とバランスの取れた安定的な歩き方を取り戻していました。自分の足で歩くこと――そんな基本的な動作すら実は維持するのが難しいものなのですね。

ダブルお祝い

この日曜日、かつての大学の｢教え子｣同士の結婚・出産をお祝いするために都内のイタリア料理店に集まったところ、もうひと組の｢教え子｣同士も結婚を電撃発表して大いに盛り上がりました。どちらもまだ20代半ば。世の中が急激に不安定化していくなかで、若い世代がまずは安心できる人生の足場を確立したいとする意思の表れなのでしょうか。それにしても、いずれのカップルでも夫婦生活の腹をくくったとたん、女性はぴんと背筋が伸びて毅然とした風格を示すのには感心させられました。ご多幸をお祈りします！

コミュニティ

ミクシィに｢中央公論Adagio｣のコミュニティが立ち上がったことを教えてもらいました。さっそく出かけてみると、管理人さんが26歳の女性とは驚きました。とても温かいエールに感謝感激！　今後の誌面づくりの参考とさせていただくつもりです。忌憚のないご意見やご批評、ご提案をどうぞよろしくお願いします！

不精鍋

すっかり肌寒くなってきました。この季節、心身を温めてくれるのはやはりお鍋です。いまのお気に入りは、たっぷりのニラとモヤシの上に豚バラの薄切りを敷き並べて、あつあつのところをポン酢でいただき、最後にラーメンを加えてしめるという、ごく簡単なもの。即座にできて、生ゴミがほとんど出ないのも魅力です。こいつを突きながら、よく冷やした焼酎をすすり、漬物のひと皿でも付け合わせれば、十分にくつろぎのひとときを味わえます。小生同様不精のみなさまにはどうぞお試しあれ！

神保町フェスタ！

この３連休、弊社は神保町ブックフェスティバルに参加、過去の書籍や新書・文庫をワゴンに積み上げてバーゲンセールを行いました。わたしは初日に売り子に立ちましたが、読書好きの老若男女がひきもきらずに押し寄せ、まさしく飛ぶように売れていくのに感嘆した次第です。かくいうわたしも他の売り場を見て回っては、両腕が痺れるくらいの本を買い込んでしまい……(笑)。なかでもヒットは、お隣に出店されていた筑摩書房のワゴンに現在入手不能の村上知行訳『金瓶梅』全４巻(ちくま文庫)を見つけ、しかも定価の半額で手に入れたこと。年末年始の休みにどっぷり浸るつもりです！

涙ながらに

大嫌い。太宰治について男性諸氏からはしばしばその言葉を聞かされます。わたしもかつて教科書で出会って以来、ずっと苦手でした。ことによると、人生の道程から多少とも足を踏み外したときに初めて真価を理解できる作家なのかもしれません。かく言うわたしも３年ほど前、突如全集を読破するに至りました……(笑)。
ただ、いまでも悲痛な面持ちの小説よりは、『女生徒』『右大臣実朝』『新釈諸国噺』などの、種本があってそのぶんのびのびと才筆を遊ばせている作品のほうが好みです。とりわけ『男女同権』。自分自身の小説を種本にしたような奇怪なこの短編には、涙ながらに爆笑しないではいられません。まったく一筋縄ではいかない作家です。
太宰治の魅力に迫った最新号をどうぞお楽しみください！