第一報と出会ったのは小学6年のとき、当時住んでいた西武新宿線「小平」駅近くの小さな古本屋のラジオを通じてでした。かねてその謎めいた店構えに心惹かれ、ようやく勇を鼓して足を踏み入れ埃っぽい文庫本の棚などを見上げているうち、ラジオの中継がさかんに「切腹」と叫び始めました。あわてて帰宅して母親に「だれが切腹したの?」と訊ねてもまだ事情を知らずに一笑に付されたのが、三島由紀夫自決の日のわたしの記憶です。そのときの三島の年齢も超えたいま、つぎの『中央公論Adagio』(6月25日発行)ではささやかなオマージュを捧げました。ご高覧いただけますと幸いです。
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